抗がん剤治療・ドセタキセルとその費用や効果は?

1)薬の名前

抗がん剤治療(商品名ドセタキセル)
欧文略語:DTX,TXT
先発医薬品はタキソテール、後発医薬品(ジェネリック医薬品)はドセタキセルと言う商品名
薬価は20㎎約8,500円~16,000円位です。
※保険適用されます。


ドセタキセルは、抗がん剤の中で強い毒性のある植物成分を応用した植物アルカロイドに分類されます。

2)どの病気にどのように効くのか?

乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、卵巣がん、食道がん、頭頸部がん、前立腺がん、子宮体がんに効果があるとされています。特に乳がんに有効とされ、手術の前後に補助療法として用いられます。

ドセタキセルは、細胞分裂時に働く、微小管が集まる作用を阻害する作用があり、がんの細胞分裂を妨げ、がん細胞の増殖を抑えます。

□微小管とは、細胞の中にある直径およそ25ナノメートルの筒状の線維です。細胞は、みずからのDNAのコピーを作った後で2つに分裂しますが、この時に「紡錘糸」という糸のようなものが、元の染色体と新しい染色体を引き離す役割をします。この紡錘糸の正体が、微小管です。つまり微小管が正常に働かなければ、細胞は正常に分裂できなくなります。

3)いつ、だれによって発明されたのか?

1980年代にフランスで針葉樹の西洋イチイの成分を抽出により開発され、1996年に日本で承認された。
現在日本での製造会社は、先発医薬品が日本サノフィ株式会社。ジェネリック医薬品が沢井製薬株式会社、日本ケミファ株式会社、ニプロ株式会社、日本化薬株式会社、東和薬品株式会社、持田製薬株式会社、武田薬品工業株式会社、株式会社ヤクルト、マイラン製薬株式会社、大興製薬株式会社、エルメッド エーザイ株式会社、あすか製薬株式会社の13社です。

4)具体的な治療方法と期間

私の場合はドセタキセルとゲムシタビンの抗がん剤を合わせて治療しました。

①吐き気止め、デキサメタゾンとグラニセトロンを約15分で投与
②ドセタキセルを約1時間で投与
③ゲムシタビンを約30分で投与
④生理食塩液を約15分で投与

期間は3週間に1回を1サイクルとし、1週目に抗がん剤を投与したら、2・3週間目はお休みして、4週目にまた抗がん剤を投与の繰り返しでスケジュールが決まります。
その後、定期的にレントゲン、CT検査などの画像にてがんの様子を見ながら、継続します。

5)痛みや副作用

浮腫(むくみ)、骨髄抑制、過敏症、脱毛、爪の変化、心タンポナーデ、肺水腫、下痢、吐き気、嘔吐、発疹

ドセタキセル投与中にアレルギー症状が現れることがあります。
投与を始めてから10分以内という短い時間で息苦しさや胸の痛み、発疹(赤いブツブツ)、顔のほてり、身体のかゆみ、汗が出るなどが現れることがあります。

ドセタキセル特有の副作用として、浮腫や爪の変性があり、累積投与量が増すと起こりやすい。

骨髄抑制により、白血球が減ると、細菌感染を引き起こしやすくなるので、外出時にはマスクを着用し、人ごみの多い所は避け、手洗い、うがいをこまめに行い、食事はなるべく、加熱処理された食事を取る事が重要です。
血小板が減ると出血しやすくなるので、転倒などによる怪我による出血や、歯磨き時に歯茎からの出血に注意が必要です。
赤血球が減ると貧血になりやすくなるので、日常生活においては、体力にあった生活を心がけ、十分な休養をとることが大切です。貧血による転倒の注意も必要です。

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