抗がん剤治療・ハラヴェン(エリブリン)とその費用や効果は?

1)薬の名前

抗がん剤(商品名・ハラヴェン)

薬価は1㎎ 約66,000円です。

※保険適用されます。

 

ハラヴェンは、クロイソカイメンという、海洋生物から抽出したハリコンドンBという天然物質に着目して、ハリコンドンBの構造を元にして合成された抗がん剤で、日本で開発された。

 

 

 

  • どの病気にどのように効くのか?

 

手術不能又は再発乳がん、悪性軟部腫瘍に効果があるとされています。

 

がん細胞は微小管が伸びたり、縮んだりすることで、細胞分裂します。

ハラヴェンは、微小管の伸びたり、縮んだりを抑制することで細胞分裂を停止させ、細胞死を引き起こす物質です。これによって、がん細胞の増殖を抑えます。

 

□微小管とは、細胞の中にある直径およそ25ナノメートルの筒状の線維です。細胞は、みずからのDNAのコピーを作った後で2つに分裂しますが、この時に「紡錘糸」という糸のようなものが、元の染色体と新しい染色体を引き離す役割をします。この紡錘糸の正体が、微小管です。つまり微小管が正常に働かなければ、細胞は正常に分裂できなくなります。

 

 

 

  • いつ、だれによって発明されたのか?

 

日本のエーザイ株式会社によって2002年に開発が開始され、2011年に乳がんに対する治療薬として、承認された。

その後、2016年に悪性軟部腫瘍に対する治療薬として、承認された。

 

現在日本での製造会社は、エーザイ株式会社の1社。

 

 

4)具体的な治療方法と期間

 

ハラヴェンは点滴にて投与します。

①生理食塩水を流し、血管に流れているか、漏れがないか確認。

②ハラヴェンを約5分で投与。

③生理食塩水で流して終わり。

 

治療スケジュールは、3週間を1サイクルとして、週1回の投与を2週連続で行い、3週目はお休みし、これを繰り返します。

その後、定期的に血液検査、尿検査、CT検査などにてがんの様子を見ながら、治療の継続するかなどを決めます。

 

 

 

  • 痛みや副作用

 

骨髄抑制、感染症、末梢神経障害、肝機能障害、間質性肺炎、脱毛、吐き気、口内炎、味覚障害、疲労感、倦怠感、発熱、味覚障害、食欲不振、便秘などが報告されています。

 

ハラヴェンの副作用としては、骨髄抑制が代表的です。感染症などに十分注意する必要があります。好中球は投与後、2週間後があたりが最も減り、その後徐々に回復します。37.5℃以上の発熱が出た場合は、抗生剤の服用が必要です。

 

ハラヴェンを投与してから、約3日以内に約5人に1人が発熱することがあります。

 

末梢神経障害も起こりやすく、手足がしびれる、力が入らないなど、軽いものを含めれば3割の患者さんに見られるといわれています。

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