- 薬の名前
抗がん剤治療(商品名イホマイド・イホスファミド)
欧文略語:IFM, IFO, IFX
薬価は1g約3,000円前後です。
※保険適用されます。
- どの病気にどのように効くのか?
効果があるとされるのは、小細胞肺がん、前立腺がん、子宮頸がん、骨肉腫、胚細胞腫瘍、悪性リンパ腫、悪性骨軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍、乳がん。
イホマイドは、「アルキル化薬」に分類される抗がん剤の1つで、アルキル化薬は、がん細胞のDNAにアルキル基という原子のかたまりを結合させることで、DNAの二重らせん構造をほどけなくする薬です。これによってがん細胞は分裂の際に情報をコピーできなくなり、死滅に追い込まれます。
- いつ、だれによって発明されたのか?
1976年ドイツで臨床試験が開始され、1985年に日本で承認された。
現在日本での製造会社は、シオノギ製薬の1社。
- 具体的な治療方法と期間
点滴にて、イホマイドを投与します。投与する量は、身長、体重、年齢、がんの種類によって違います。
最後に生理食塩水で洗い流して終わりです。
治療期間も患者さんによって違います。例えば1日1回投与し、5日間連続投与し、3週間空ける。これを1クールとし、数ヶ月行います。
これを最低でも1ヶ月行い、レントゲン、血液検査、尿検査を定期的に行い、薬が効いているか、効いていないかで継続か、薬を変えるかを判断します。
私は6年前に、イホマイドでの治療を行った為、1回の投与量、投与時間は、覚えていませんが、シスプラチンと交互に投与し、約3ヶ月治療を行いました。
- 痛みや副作用
副作用は、吐き気、嘔吐、脱毛、倦怠感、出血性膀胱炎、骨髄抑制(骨髄の働きが低下し、赤血球、白血球、血小板の数が減少)、急性腎不全、間質性肺炎、心不全、不整脈、痙攣が報告されいます。
投与されたイホマイドのうち、50~70%が尿中に排泄されることから、「出血性膀胱炎」の副作用が起こりやすい薬です。症状としては血尿や頻尿、排尿痛などがあり、投与開始から3~5日後に見られます。そのため投与時は十分な輸液を行い、尿の出を良くすることが大切になります。
骨髄抑制により、白血球が減ると、細菌感染を引き起こしやすくなるので、外出時にはマスクを着用し、人ごみの多い所は避け、手洗い、うがいをこまめに行い、食事はなるべく、加熱処理された食事を取る事が重要です。
血小板が減ると出血しやすくなるので、転倒などによる怪我による出血や、歯磨き時に歯茎からの出血に注意が必要です。
赤血球が減ると貧血になりやすくなるので、日常生活においては、体力にあった生活を心がけ、十分な休養をとることが大切です。貧血による転倒の注意も必要です。
コメントを残す