1)薬の名前
抗がん剤(商品名アドリアシン・ドキソルビシン)
欧文略語:ADM, DOX
薬価は50㎎約8,000円前後です。
※保険適用されます。
2)どの病気にどのように効くのか?
悪性リンパ腫、肺がん、胃がん、胆嚢・胆管がん、膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん、膀胱がん、子宮体がん、骨肉腫、多発性骨髄腫、各種の小児がん、悪性骨軟部腫瘍、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍に効果があるとされています。
アドリアシンはその代表的な薬剤で、がん細胞のDNAを構成する塩基と塩基の間に入り込むことで、DNAの正常なコピーに必要な酵素の働きを阻害する効果があります。 このような作用を持つ抗生物質を「アントラサイクリン系」と呼びます。
3)いつ、だれによって発明されたのか?
1967年にイタリアの研究所で開発され、組織に吸着されやすい性質を有しており、動物実験では組織の中に長時間留まることで効果を発揮することが知られています。
現在日本での製造会社は、協和発酵工業株式会社の1社。
4)具体的な治療方法と期間
点滴にて、吐き気止めの薬を投与し(アドリアシンは吐き気が強く出る為)、アドリアシンを投与します。投与する量は、身長、体重、年齢、がんの種類によって違います。
最後に生理食塩水で洗い流して終わりです。
これを最低でも1ヶ月行い、レントゲン、血液検査、尿検査を定期的に行い、薬が効いているか、効いていないかで継続か、薬を変えるかを判断します。
私は6年前に、アドリアシンでの治療を行った為、1回の投与量、投与時間は、覚えていませんが、イホマイドと交互に投与し、約3ヶ月治療を行いました。
5)痛みや副作用
副作用は、吐き気、嘔吐、脱毛、骨髄抑制(骨髄の働きが低下し、赤血球、白血球、血小板の数が減少)、心不全、不整脈、心筋障害、出血、食欲不振、口内炎、下痢、血管痛、静脈炎、心機能障害が報告されています。
赤い尿が出ますが、薬剤が赤い色の為であり、問題ありません。
アドリアシンは、吐き気、嘔吐がシスプラチンに次いで高いとされていますので、制吐剤で軽減することが大切です。
口内炎は投与量が増えるにつれ増加します。適切な口腔内ケアを実践する必要があります。
食事がまともに取れない場合は、水分、果物やゼリーなど、食べやすい物を取り、治療を乗り切る事が重要です。
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